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ドローンを使った仕事にはどんなものがある?操縦士として理解しておくべき法律も紹介
テレビや動画サイトなどで空撮映像が用いられることも多く、決して珍しい存在ではなくなったドローン。従来はヘリコプターを飛ばして撮影するのが一般的であったものが、ドローンが登場したことで趣味で空撮映像を手軽に楽しむ人も増えてきました。
しかし、ドローンはエンタメ分野としての活用だけでなく、さまざまな産業分野への活用も期待されており、将来さらに需要が高まると考えられています。ドローンは今後どのような仕事に活用されていくのかを紹介するとともに、操縦士が理解しておくべき法律などもあわせて紹介します。
ドローンの操縦資格と将来性
ドローンを操縦したことのない人にとっては、「操作が難しそう」、「専門的な資格が必要なのでは?」と考えることもあるでしょう。そこで、ドローンの操縦にあたって押さえておきたい基礎知識を紹介します。
操縦するために必須となる資格はない
自動車や飛行機などとは異なり、ドローンを操縦するにあたって必須となる免許や資格は一切ありません。ドローンの機体そのものは小型ものが多いほか、人を乗せて飛行させる乗り物ではないことから、免許がなくても操縦方法を覚えてしまえば誰でも飛行させることができます。
しかし、ドローンに関連する知識や操縦スキルを証明するための資格は存在し、さまざまな仕事に活かすためには資格の取得を推奨している企業も少なくありません。
◆ドローンを飛行させるには資格が必要?飛行時に知っておきたいルールも解説
ドローン資格の種類
では、ドローンの資格にはどのようなものがあるのでしょうか。2022年4月の時点で取得できるのは、民間が運営している資格制度のみです。代表的なものには「JUIDAドローン資格」、「一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)」、「 DJI CAMP認定資格」、「日本ドローン(JDA)資格」などがあります。
なお、2022年12月からは国家資格も創設されることが決まっています。ただし、これも自動車免許のようなものではなく、これまでドローンの飛行空域についてさまざまな制約があったものを、緩和することを目的としたものです。
そのため、国家資格が創設されたからといって、「免許がなければドローンを飛行させることができない」ということではありません。
ドローンの民間資格および国家資格については、以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
◆ドローン資格はどれがおすすめ?初心者に最適な民間資格を紹介
◆ドローンの免許制(国家資格)はいつから開始?資格制度の詳細を解説
市場規模の拡大が期待されるドローン
「ドローンにかかわる仕事をしてみたい」と考える方にとって、どの程度の将来性があるのか、今後の成長が気になるところではないでしょうか。
ある調査会社が行ったドローンに関するレポートによると、2016年度以降、ビジネス業界におけるドローンの需要は順調に推移しており、2021年度の市場規模は前年比約25%の増加となったことが分かりました。
2022年12月に国家資格が創設されることでドローンに関する規制緩和が進み、5年後の2027年度には現在の3倍以上の市場に拡大するとの予想もあります。今後どの程度の伸び率になるかは市場の動向によっても左右されますが、少なくともこれまで順調に市場規模が拡大していることは事実であり、今後も継続的な成長は期待できるでしょう。
◆ドローンの免許制度が始まるとどんな影響がある?気になる今後のスケジュールも解説
ドローンを使って仕事をするうえで理解しておくべき法律
ドローンを飛行させる場合、さまざまな法律が関係してきます。特にドローンを使って仕事をする際には、法律を知らなかったでは済まされないため、あらかじめ最低限の知識は身につけておく必要があります。
そこで、今回は特に重要なドローンに関係する法律を5つ紹介します。
電波法
ドローンはWi-FiやBluetoothといった電波を飛ばして操縦するため、電波法に関する知識は押さえておく必要があります。日本国内でドローンを飛行させるためには、「特定無線設備の技術基準適合証明」を取得済みの機体を使用しなければなりません。
これは通称「技適マーク」とよばれるものですが、たとえば海外から輸入した製品や海外で購入してきた製品のなかには、技適マークを取得していないものも少なくありません。これを知らないまま飛行させてしまうと、電波法違反となってしまいます。
航空法
ドローンを屋外で飛行させる場合に注意しなければならないのが航空法です。2022年4月時点では、200g以上のドローンが航空法の対象となっており、2022年6月からは100g以上のドローンへと規制が強化されます。
航空法の対象となるドローンは、空港周辺や人口集中地区、150m以上上空では国土交通大臣からの飛行許可を得る必要があります。また、警察や消防などが活動している緊急用空域では原則として飛行が禁止されます。
このように、屋外でドローンを飛行させても良い場所と、そうでない場所を正しく理解するためにも航空法の知識は不可欠といえるでしょう。
道路交通法
公道でドローンの離着陸を行う場合に関係してくるのが道路交通法です。公道で工事や作業を行う場合、「道路使用許可申請」とよばれる手続きが必要であり、それぞれの管轄の警察署へ書類を提出しなければなりません。
個人情報保護法
ドローンで画像や映像などを撮影する場合、第三者の顔や家屋の表札、自動車のナンバーなどが写り込んでしまうケースがあります。画像や映像にはプライバシーに配慮した加工が必要であることはもちろん、加工前のデータを保存する場合にも厳重な管理が求められます。
なお、個人が趣味で撮影する程度の範囲であれば問題ありませんが、5,000人を超える個人情報をデータベースとして事業活動に活用する場合、個人情報保護法では個人情報取扱事業者として見なされ、利用目的の公表や報告義務があります。
小型無人機等飛行禁止法
ドローンの飛行ルールとして、航空法とあわせて押さえておくべきなのが小型無人機等飛行禁止法です。国会議事堂や首相官邸、大使館、原子力発電所などが飛行禁止空域として定められており、違反した場合は厳しい罰則もあります。
◆ドローンの100g規制とは何か?登録が必要となる条件と登録手順も解説
ドローンを使ったさまざまな仕事と求人市場
ドローンをビジネスに活用しようと考えたとき、どのような仕事があるのか興味を抱く方も多いのではないでしょうか。今回は、仕事の一例とドローン操縦士の年収相場、求人数などもあわせて紹介します。
ドローンを活用した仕事の一例
ドローンを活用した仕事にはさまざまなものがありますが、代表的な例としては以下のような仕事が挙げられます。
空撮
上空から俯瞰した画像や映像を撮ることを空撮とよびます。空撮の主な用途としては、報道取材、映画撮影などが代表的です。従来はヘリコプターにカメラマンを搭乗させて撮影する手法が一般的でしたが、ドローンによって手軽に撮影できるようになりました。
農薬散布
農業分野での代表的な活用事例としては、農薬散布があります。大型のドローンを活用することで、効率的かつ均一に農薬を散布できるメリットがあります。また、農薬だけでなく肥料や種などの散布にも活用できます。
土木・土地測量
ドローンを飛行させ上空から写真を撮影したり、レーザーを照射させたりすることで広範囲の測量を実現できます。地上からの測量に比べて測量可能な範囲が広く、測量にかかる時間も短縮できるメリットがあります。
警備・セキュリティ
スタジアムや公園など、敷地面積が広大な施設を効率的に警備するためにドローンが活用されるケースも考えられます。上空から俯瞰した映像をリアルタイムに配信し、目視やAIの画像認識によって不審者を確実に検知でき、素早い対応を実現できます。
構造物・建物点検
橋やトンネル、高層ビルなどの点検は高所作業のため、危険が伴います。ドローンに高精細なカメラを搭載し撮影することで、わずかなヒビや割れなども検知でき、点検作業の安全性を高め作業効率も向上するでしょう。
物流
人手不足が続く物流現場では、ドローンを荷物の配達に役立てることで省人化を目指す動きもあります。国家資格の創設によって、有人地帯の自動飛行も実現できるようになり、今後本格的な実用化が期待されています。
救命
命の危険が迫っている現場に、ドローンで救命胴衣やAEDなどを運び、迅速な救命処置を実現する取り組みも注目されています。救急隊が到着する前に必要な物資をドローンで届けることで、これまで以上に助かる命が増えると期待されます。
ドローンインストラクター
ドローンの需要拡大に比例して、高度な技術をもったドローン操縦士も求められるようになります。すでに全国各地へドローンスクールが拡大していますが、今後はドローン操縦士を育成するドローンインストラクターの需要も高まっていくと考えられます。
年収や求人数
一口にドローン操縦士といっても業種はさまざまで、すでに幅広い業界から求人があります。業種によっても年収の幅は大きく一概には言えませんが、求人情報を見てみると年収300万円から500万円ほどの企業が多いようです。
2022年4月時点で大手求人サイトで「ドローン」をキーワードに検索すると、9000件以上の求人がヒットします。このなかには正社員だけでなくパートやアルバイト、業務委託なども含まれていますが、仕事そのものの需要は高い傾向にあることは間違いないでしょう。
ドローンを仕事にしたいなら資格取得がおすすめ
自分自身のキャリアパスを考えたとき、ドローンを仕事にするのであれば資格の取得を目指してみるのもおすすめです。なぜ資格を取得したほうが良いのか、おすすめの取得方法も紹介しましょう。
資格取得のメリット
冒頭でも紹介した通り、ドローンを飛行させるために必須となる免許や資格はありません。しかし、ドローンを仕事にするのであれば、専門的な知識やスキルが身についていることを客観的に証明する必要があります。
実務経験もひとつの証明方法ではありますが、これからドローン操縦士としてのキャリアをスタートさせたいと考えている方には資格が強力な武器になることでしょう。
おすすめの資格取得方法
2022年12月からドローンの国家資格が創設されるため、「どうせ取るなら国家資格のほうが良いのでは?」と考える方も多いでしょう。しかし、実践的なスキルと知識を身につけ、着実にステップアップを目指すのであれば、まずは民間資格から挑戦してみるのがおすすめです。
民間資格を取得していれば、国家試験の一部が免除になる方針も示されています。そのため、民間資格の取得は国家資格の受験においてもプラスになるのです。ドローンスクールのなかには民間資格に対応したコースを提供しているところもあるため、まずはスクールに通ってみるのがおすすめです。
◆ドローン資格はどれがおすすめ?初心者に最適な民間資格を紹介
◆ドローンスクールの料金っていくら?スクールを選ぶうえでのポイントも解説!
まとめ
今回紹介してきたように、ドローンを操縦するために必須となる免許や資格はありません。だからこそ、趣味の一環として楽しむ人も増えていますが、今後はエンタメ的な用途だけでなくあらゆる産業分野での活用も期待されています。
それに伴い、ドローン操縦士の求人も今後ますます増えてくると考えられ、新たな職業として社会に定着していく可能性もあるでしょう。
ドローンを仕事に活かすためには資格の取得が条件となっていたり、推奨されたりしている企業も多いことから、まずは民間資格から挑戦し2022年12月からスタートする国家資格への足がかりにしてみてはいかがでしょうか。
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