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ドローン情報

ドローンを用いた測量とは?!メリット・デメリットや使用する機体を解説

 

ドローンを使って測量を行うドローン測量をご存知でしょうか。

ドローンを使って測量を行うと、時間的・人的コストの削減につながる上に、従来よりも簡単に3Dモデルの作成が可能になります。

近年、さまざまな分野で活用されるドローンですが、測量の分野においても業務の効率化に貢献しています。

今回の記事では、ドローンを使った測量について解説します。

ドローン測量のメリット・デメリットや測量の手順や使用する機体など、気になるポイントを紹介するので参考にしてみてください。

ドローン測量とは?

参照:https://enterprise.dji.com/jp/zenmuse-l2

ドローン測量は、カメラやセンサーを搭載したドローンを飛行させ、上空から地上の地形を計測する測量法のことです。

測量方法には「写真測量」と「レーザー測量」の2つがあり、簡単にそれぞれの違いをまとめると以下のようになります。

写真測量 ・光学カメラで撮影した写真から地形情報を取得する

・測量の精度には限界がある

・安価に測量作業ができる

レーザー測量 ・レーザー測距装置を使って地形情報を取得する

・高精度な測量が可能

・測量費用が高価

では、それぞれの測量方法について詳しくみていきましょう。

①写真測量

参照:https://enterprise.dji.com/jp/zenmuse-p1

写真測量は、ドローンに搭載した光学カメラで上空から地表を撮影し、写真と位置情報を繋ぎ合わせることで、地形の情報を取得する方法です。

ほとんどのドローンには、カメラが搭載されているため、写真測量は比較的手軽かつ安価にできるのがメリットです。

また写真を用いているため高画質な3Dモデルも作成できるのが特徴です。

ただし、測量の精度に関しては限界がありますし、上空から撮影を行うため樹木に覆われた場所などでは、地形の情報が取得しにくいデメリットがあります。

 

②レーザー測量

レーザー測量は、ドローンに搭載したレーザー測距装置(LiDAR)を使って、上空と地表の測定範囲の距離から地形情報を取得する方法です。

ドローンからレーザーを地表に照射して、反射した光線が届く時間を元に地上の起伏を割り出します。

写真測量よりも測量の精度が高く、樹木などで覆われた場所でも測量が可能などのメリットがあります。

しかし、使用機器が高価なため、測量業務に多額の費用がかかるのがデメリットです。

 

ドローン測量と従来の方法を比較

ドローン測量と従来の方法を比較します。

従来の方法では、地上に設置した装置を使って測量を行うのですが、ドローン測量と比較すると以下のような違いがあります。

測量方法 ドローン測量 従来の測量(地上測量)
作業の手間 少ない 多い
必要な人員 少ない 多い
測量範囲 広い 狭い

ドローン測量は地上測量と比較して、より広範囲の測量が可能です。

その上、作業の手間や人員の削減も可能なため、より効率よく省コストで業務が遂行できるでしょう。

ドローン測量のメリット

ドローン測量のメリットは以下の4点です。

①時間やコストの省力化が可能

②一度に測量できる範囲が広い

③3Dモデルの作成が容易

④人が立ち入れない場所でも作業が可能

では、1つずつ詳しくみていきましょう。

①時間やコストの省力化が可能

ドローン測量は、従来の方法と比較して時間やコストの削減が可能です。

地上測量や航空測量と比較しても、継続時間が短いですし、データの解析も短時間で行えます。

測量を行う上での人員も最小人数で済むため、手間やコストを削減しながら、より効率的な業務を実現します。

②一度に測量できる範囲が広い

ドローン測量は上空から測量を行うため、一度に測量できる範囲が広く効率的です。

地上測量では限られた範囲しか測量できないのですが、ドローンを使えばより広い範囲の測量を低コストで行えるため、生産性の向上に貢献するでしょう。

参考までに、DJIのZenmuse L2という装置の場合は一回の飛行で2.5㎢をカバーできます。

③3Dモデルの作成が容易

測量したデータから3Dモデルを作成することも容易にできます。

上空から測量したデータを専用ソフトを使って解析すれば、短時間で3Dモデルが作成できるため、従来の方法と比較しても手間や時間をカットできます。

④人が立ち入れない場所でも作業が可能

ドローンを使うことで人が立ち入れない場所での測量も容易にできます。

例えば、災害地での測量業務など、人が立ち入るのが危険な場所での測量もドローンなら速やかに行えます。

また測量を行う上での場所的な制約が少ないというのも、ドローン測量の大きなメリットといえるでしょう。鉄塔や送電線など高所の測量も可能になるので土地測量だけではなくあらゆる分野での活用が可能になります。

ドローン測量のデメリット

ドローン測量のデメリットは以下の3点です。

①飛行時間に限りがある

②測量範囲が狭い場所には不向き

③天候に左右されやすい

メリットだけでなくデメリットも確認しておきましょう。

①飛行時間に限りがある

ドローンには機種によって飛行時間に限りがあるため、測量時間によってはバッテリーの交換が必要です。

短時間で測量が終わらない場合、バッテリー交換などで余計な時間がかかるケースもあるでしょう。

ドローン測量を行う際には、事前のシミュレーションで飛行時間を把握しておくのが重要です。

また、バッテリー切れに備えて、交換用の予備バッテリーの準備は忘れずにしてください。

②測量範囲が狭い場所には不向き

ドローン測量は広い場所での測量は効率的に行えますが、狭い場所での測量には不向きです。

測量範囲が狭すぎると、地上測量の方が費用が抑えられる場合もあるため、測量場所や範囲に応じて適した方法を選ぶ必要があります。

また、逆に広すぎる場所の測量の場合は、ドローンではなく有人航空機を使用した航空測量の方が適しています。

③天候に左右されやすい

雨風などの悪天候に対して、ドローンが影響を受けるケースがあります。

最近の産業用ドローンは防水機能を搭載しているため、多少の雨であれば問題ありませんが、台風のような強風雨風が激しい場合は飛行が難しく作業自体が中止になる可能性もあるでしょう。

そのため、作業スケジュールを決める際には、悪天候による中止を想定して、予備日を設ける必要があります。

 

ドローン測量の手順

ドローン測量の手順を解説します。大まかな手順は以下の通りです。

①現地調査

②飛行ルートの作成

③GCPまたはRTKの設置

④ドローンでデータを取得

⑤専用ソフトで解析

では、1つ1つのステップを詳しくみていきましょう。

①現地調査

まず最初に行うのが、測量を行う土地の現地調査です。

土地の形状や障害物の有無だけでなく、ドローンを飛ばす上で重要な通信状況に関する確認も行います。

②飛行ルートの作成

現地調査の結果を用いて、ドローンの飛行ルートを作成します。

現場に応じた最適なルートや撮影方法など、1つ1つの要素を決めていき、具体的な作業のシミュレーションを行います。

飛行場所や方法によって法規制に関わる場合は、関係各所への許可申請が必要です。

③GCP又はRTKの設置

ドローン測量を行うのに使用するGCP(Ground Control Point)又はRTK(Real-Time Kinematics)を設置します。

GCPとは、地上に設置する座標のことで、RTKとは位置情報を電子基準点から受信するシステムで、つまり精度の高いGPSというイメージです。

GCPとRTKはどちらも同じ役割となっているためドローンの種類や環境によって使い分けるといいでしょう。またRTKを利用する際にはRTKに対応したドローンが必要になります。しかしRTKはGCPと違い設置が簡単であるため、大幅な時間短縮に繋がります。

④ドローンでデータを取得

事前に決定した飛行ルートを元にドローンを飛行させて、上空から地上の情報を取得します。

撮影が終了したら取得したデータの確認を行い、問題がなければ終了となります。

⑤専用ソフトで解析

ドローンで取得したデータは専用ソフトで解析を行います。

必要に応じて3Dモデルの作成もします。

 

ドローン測量に資格は必要?

ドローン測量には資格が必要なのかについて解説します。

主に「ドローンを操縦する資格」と「測量に関する資格」の2つがありますが、業務を行う上で取得が必要かどうかを詳しくみていきましょう。

①測量業務には国家資格が必要

測量業務を行うには「測量士」または「測量士補」の国家資格を取得しなければなりません。

上記の国家資格がなければ、公共事業における測量業務ができないので注意してください。

各資格の取得方法は以下の通りです。

測量士 ・文部科学大臣の認定大学で測量に関する科目を修めて卒業し、1年以上の実務経験を積む
or
・文部科学大臣の認定短期大学、高専学校で測量に関する科目を修めて卒業し、3年以上の実務経験を積む
or
・測量士補で国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設で必要な専門知識と技能を修得する
or
・測量士試験に合格する
測量士補 ・文部科学大臣の認定学校で測量に関する科目を修めて卒業する
or
・国土交通大臣の登録を受けた測量に関する養成施設で1年以上、必要な専門知識と技能を習得する
or
・測量士補試験に合格する

②限られた飛行であればドローンの資格は不要

ドローン測量を行う上で、ドローンの操縦に関する資格を取得する義務はありません。

ただし、測量であっても飛行方法や飛行空域によっては国土交通省の許可・承認が必要になります。

飛行する空域 ・空港などの周辺

・人口集中地区の上空

・150以上の上空

・緊急用無空域

飛行の方法 ・夜間での飛行

・目視外での飛行

・人または物件との距離を30m以上確保できない飛行

・催し場所上空での飛行

・危険物の輸送

・物件の投下

許可・承認が必要な空域や飛行方法は上記の通りで、測量の場合であっても人口集中地区上空や、人または物件との距離を30m以上確保できない飛行が該当しやすいため、注意が必要です。

また広範囲を測量する際に地形や障害物によってドローンが目視できなくなる場合は、目視外飛行の許可も必要となります。

なのでほとんどのシチュエーションで許可・承認(資格)が必要になるでしょう。

ドローンの国家資格(無人航空機操縦者技能証明)があると許可・承認を得るための申請が楽になります。またドローンに関する資格を取得しておくと、専門知識や操縦技術の証明として使えて業務における信頼性にも繋がり便利です。

 

ドローン測量で使用される機体と機器

ドローン測量で使用される機体を紹介します。

代表的な機種や周辺機器にどのような特徴があるのかみていきましょう。

①DJI MATRICE 350 RTK

DJI MATRICE 350 RTKは、DJIがラインナップしている産業用ドローンのフラッグシップモデルです。

パワフルな飛行性能で最大55分の飛行時間を実現しているため、幅広い業務をスムーズに遂行できます。

優れた防水性・防塵性も備えており、悪天候下や過酷な環境下などでも、十分に耐えられるタフな設計も特徴です。またRTKにも対応しているため設置の手前も大幅にカットされます。

②DJI ZENMUSE P1

DJI ZENMUSE P1は、ドローン測量で使用する航空測量用カメラです。

航空測量専用に設計されており、優れた精度と効率性を実現しています。

さらに、さまざまなレンズを装備できる汎用性の高さや、3軸ジンバルカメラによる安定感など、際立った性能の高さを示しています。

③DJI ZENMUSE L2

DJI ZENMUSE L2は、ドローン測量で使用するレーザー機器です。

独自開発のシステムを採用しており、より高精度かつ高効率な測量を実現します。

さらに、より小さいレーザースポットサイズを可能にしているため、木々が生い茂った場所でも優れた透過性で精密な測量を可能にします。

 

ドローンによる測量に関するよくある質問

ドローンによる測量に関するよくある質問をまとめました。

ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にしてみてください。

①ドローン測量にかかる費用はどれぐらい?

ドローン測量の一般的な費用相場は以下の通りです。

・写真測量:100万円程度
・レーザー測量:300万円程度

実際には、測量範囲や地形の特徴、測量の目的などに応じて変わります。

②ドローン測量の求人は多い?

求人サイトのindeedで「ドローン測量」の求人を検索してみたところ、3,540件※の求人がヒットしました。

正社員に絞っても3,000件がヒットしますし、年収500万円以上の求人も数多くありました。

※2024年3月27日時点

③ドローン測量の資格を取得するにはどれぐらいの時間がかかる?

ドローン操縦には資格は不要ですが、測量業務を行うのに必要な資格については一定の期間が必要です。

例えば、測量士の国家資格に合格するためには、300〜500時間の勉強が必要と言われています。

学校を卒業して測量士になる場合は、大学などを卒業するまでの期間に加えて、1〜3年の実務経験が必要です。

④ドローン測量の向き・不向きはある?

ドローン測量は、広い土地を効率的に測量するのに向いているのですが、狭い土地の測量では費用が割高になってしまいます。

さらに、広すぎる土地についても、ドローンのバッテリーの関係で非効率になってしまうため、航空測量の方が向いているケースが多いです。

しかし日本のような中規模程度の土地や凹凸の多い場所では、ドローン測量が適しているでしょう。また人が立ち入るのが困難な災害地などでの測量に向いています。

まとめ

ドローンを使った測量について紹介しました。

測量分野にドローンを取り入れることで、作業の効率化や省コスト化の実現が可能です。もちろんメリットとデメリットの両方があるため、適した場面で活用する形にはなりますが、将来的にドローンによる測量は幅広く普及していくでしょう。

また求人も多くありますのでドローンを使った仕事に興味がある方は、ドローン測量についても注目してみてください。

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