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ドローン情報

ドローンってどれくらい荷物を運べるの?DJIのドローンは?

 

ドローンの新制度が施行されてレベル4飛行の実現が目指される中で「ドローンによる物流・配送分野での活用はどうなる?」と気になっている人も多いはずです。

人手不足などの要因でドローンの活用が求められる物流・配送の分野では、ドローンの活用を実現するための実証実験も積極的に行われています。

先日にはDJIから配送用ドローン「DJI FlyCart 30」も販売開始され将来的なビジネスチャンスでもあるため、具体的にどこまで進んでいるか気になっている人もいるでしょう。

そこで今回は「ドローンはどれぐらいの荷物を運べるのか」について調査していきます。

まずドローンで運搬可能な荷物の重量を調べて、どのような活用法が実現されるのか考えていきましょう。

1.ドローン新制度の施行でドローン配送の実現化が加速する

2022年12月からドローン新制度がスタートし、国家資格制度を始めとするさまざまな法整備が実施されました。

これらの法整備の目的は、目視外かつ有人地帯上空での飛行を実現するためであり、物流・配送分野を始め、将来的にドローンの活用の幅が劇的に広がることが予想されます。

ここでは、ドローン新制度とドローン配送の関係について解説します。

①レベル4飛行(目視外かつ有人地帯での飛行)が可能になる

ドローン新制度が始まったことで法的にレベル4飛行が可能になります。

ドローンによる飛行レベルは以下の4つに分類されており、レベル4飛行は今回の法整備によって実現が可能になりました。

レベル1:目視内での手動操縦
操縦者が目視できる範囲で、手動によってドローンを飛行させるのがレベル1です。主な用途としては、空撮や橋梁点検などが挙げられます。

レベル2:目視内での自動・自律飛行
補助者が目視できる範囲で、ドローンを自動飛行させるのがレベル2です。主な用途としては、農薬散布や土木測量などが挙げられます。

レベル3:無人地帯における補助者無しでの目視外飛行
人が居住していない無人地帯で、補助者なしでドローンを自動飛行させるのがレベル3です。主な用途としては、離島や山間部への貨物の輸送などが挙げられます。

レベル3.5:無人地帯における補助者無しでの目視外飛行(線路や道路横断の際に補助者や看板等の設置、一時停止が不要)
新設されたレベル3.5飛行は、レベル3飛行と違い線路や道路横断の際に補助者や看板等の設置、一時停止が不要になるため、無人地帯でのドローン配送などがより円滑になります。
しかし、操縦ライセンスの保有、保険への加入、機上カメラによる歩行者等の有無の確認が必要となります。

レベル4:有人地帯における補助者無しでの目視外飛行
人が居住している有人地帯で、補助者なしでドローンを目の届かない範囲まで飛ばす(目視外飛行)を行うのがレベル4です。住宅街でドローン配送などを行うのに必要な飛行方法となります。

また下記の記事では飛行レベル3.5やレベル飛行について詳しく解説しているのでご参照ください。
ドローンの規制が緩和される?新制度レベル3.5飛行とは?

目視外かつ有人地帯上空での飛行が可能になれば、街中で配送用ドローンが飛び交うような社会も実現できるでしょう。レベル4飛行の実現によってドローンの活用の幅が広げられ、社会問題の解決や生産性の向上に繋げられます。

 

②ドローン配送の実証実験も進められる

ドローンの物流・配送分野への活用については以前から積極的に行われています。

例えば、物流ドローンを製造しているSKYDRIVE社では、すでにさまざまな実証実験や活用が開始されています。

活用事例 日時 概要
過疎地域・買い物弱者向けの物流ドローン活用 2020年12月01日 菓子類5kgやスポーツドリンク15kgを運搬

運搬距離は約1km

農作物運搬による作業負担軽減 2020年11月12日 農家から道の駅まで(片道1km)農作物15kgを運搬
『カーゴドローン』の建設現場における実証検証 2019年12月25日 積載可能重量約30kgの産業用ドローンで資材搬送作業の実証実験を行う
電力会社の鉄塔メンテナンス業務の省人化を物流ドローン「SkyLift」で実現 2022年7月20日~7月22日 物流ドローン『SkyLift』を用いて鉄塔用塗料の入った一斗缶を3日間で1トン運搬する
豊田市、足助病院と災害時医療での活用に向けた実証実験 2022年12月19日 医療物資や食料品約13kgの輸送物資を運搬

距離は豊田市足助支所から、巴川対岸の香嵐渓広場までの600m

千葉県の物流ドローン等を活用した先進的な害獣駆除プロジェクトに参画

 

2022年12月27日 小型ドローンで探知したポイントに害獣捕獲用のくくり罠や監視用カメラなどの物資(最大20kg)を運搬

運搬距離は263m

人口集中地区(DID)での自動自律飛行に成功 2023年2月15日 日本で初めDID地区での自動自律飛行に成功

棟梁建設現場での資材運搬を試験運用

参考:https://skydrive2020.com/cargo-drone/

輸送可能な重量は運搬に特化したドローンによって、ある程度の重量でも輸送ができるようですが、飛行距離はそれほど長くはありません。

限定的な用途での輸送・運搬作業での活用によって生産性の向上や作業の安全性向上などが期待できますが、社会に広く配送ドローンが広まるにはバッテリー性能の向上などが必要です。

 

2.ドローンってどれぐらいの荷物を運べる?

ドローン配送の実現が目指される中で気になるのが「ドローンで輸送可能な重量」です。荷物の配送ができるといっても、ドローンが運べる荷物の重量によって活用方法が変わってきます。

ここでは、市販のドローンや産業用ドローンがどれぐらいの荷物を運べるのか調べていきます。

①荷物の積載重量は「最大離陸重量-機体重量」

市販されているドローンは基本的に荷物を運ぶ用途で設計されていないため、積載重量については記載されていません。

ただ、「機体重量」と「最大離陸重量(離陸可能な機体の総重量)」の差を計算すれば、おおよその積載重量が推定できます。

ちなみにDJIでラインナップされているドローンの推定積載重量は以下の通りです。

商品名 機体重量 最大離陸重量 推定積載重量
SPREADING WINGS S – 1000 6,000g (バッテリー1,400g想定) 11,000g 5,000g
SPREADING WINGS S – 900 4,700g (バッテリー1,400g想定) 8,200g 3,500g
SPREADING WINGS S – 800 EVO 5,100g (バッテリー1,400g想定) 8,000g 2,900g
M-600 9,100g (TB47S) 15,100g 6,000g
M-600 Pro 9,500g (TB47S) 15,500g 6,000g
M-100 2,355g (TB47D) 3,400g 1,045g
INSPIRE 2 3,290g 4,290g 1,000g
INSPIRE 1 2,935g 3,400g 465g
Phantom 4 Pro 1,388g 1,500g 112g
Phantom 4 1,380g 1,500g 120g
Phantom 3 Professional 1,280g 1,300g 20g
Phantom 3 Advanced 1,280g 1,300g 20g
Phantom 3 Standard 1,216g 1,300g 84g
Phantom 2 Vision + 1,242g 1,300g 58g
Phantom 2 1,000g 1,300g 300g
Phantom 1 1,000g 1,200g 200g
Mavic Pro 734g 820g 86g
SPARK 300g(バッテリー込み) 450g 150g
M-200 3800g(TB50) 6340g 2540g

市販されている空撮用のドローンのほとんどは荷物を積載する余裕はないみたいです。

プロ向けの空撮ドローンだと大型のカメラを積載することもあるため、3~6kg程度の荷物が積載できると考えられます。

ただ、この程度の輸送能力だと運べる荷物は限られますし、バッテリーとの都合も考えると輸送距離にも限界があるでしょう。

 

②輸送に特化したドローンであれば30kg以上の積載も可能

輸送に特化した産業用ドローンを製造しているメーカーもあります。

例えば、物流ドローンを手がけているSKYDRIVEは、30kgの荷物の積載が可能になっており、往復1kmの運搬が可能になっています。

また先日販売されたDJI FlyCart 30は最大積載量30kg最大航続距離16kmです。また緊急時にシングルバッテリーで運用する場合の最大積載量は40kg、航続距離は最大8kmとなっています。雨や風にも強い性能を持っており保護等級はIP55で-20~45℃の環境温度範囲に対応しています。最大12m/sの風圧環境下でも飛行可能で、標準プロペラの最大飛行高度は6000m、30kgのペイロード(荷物)積載時は高度3000mまで飛行することができます。
参考:https://www.dji.com/jp/flycart-30

その他にも、大型産業ドローンを手がけるクリーク・アンド・リバー社では最大50kgの積載が可能なドローンがあります。

3.ドローン配送が役に立つシチュエーションは?

ドローン配送が役に立つシチュエーションとしては主に以下の4つが挙げられます。

①離島や山間部への物資や医薬品の輸送

②被災地への医療物資や食料品の運搬

③作業現場での資材の運搬

④過疎地域での買い物代行

では、1つずつ詳しくみていきましょう。

①離島や山間部への物資や医薬品の輸送

ドローンの特性上、輸送ができるのは「軽量な荷物」かつ「短距離」という条件を満たす必要があるようです。

そういった点を考慮すると、離島や山間部への物資や医薬品の輸送にドローンが役立てられるでしょう。

他の輸送手段よりも低コストで済みますし、速やかに必要な荷物を届けることができるため、離島の医療機関で薬品が不足しているときでも、迅速にドローンが各拠点から必要な物資を届けることができます。

ドローンによる細かい物流網を形成することで、物資の運搬を効率化しながら作業コストの削減に繋げられます。

②被災地への医療物資や食料品の運搬

災害が発生した際に被災地に医療物資や食料品を届けるのにドローンが活用できます。

避難所までの道路が陥落してトラックが通れない場合でも、ドローンによる輸送が可能ですし、ヘリコプターよりも短時間で必要な場所にピンポイントで物資が届けられます。

飲料水や食料など大量の荷物の運搬が必要な場合には、ヘリコプターなどの運搬方法が適していますが、医薬品などの物資をピンポイントな場所に素早く届けるのにはドローンが最適です。

③作業現場での資材の運搬

ドローンの運搬能力は作業現場での資材の運搬にも大いに役立ちます。

人が運ぶよりも作業時間を大幅に削減できる上の、人員コストの削減や負担の軽減、安全性の向上にも繋げられるでしょう。

資材運搬にドローンを活用すれば生産性を大幅に向上させられます。

④過疎地域での買い物代行

ネット通販の配送をドローンで行うのはまだまだ先の話になりそうですが、人口密度の小さい過疎地域であれば買い物代行などの活用が可能になりそうです。

比較的安全に運搬ができますし、個々に合わせた荷物の運搬ができるため、免許を返納して移動が困難な高齢者などに向けたサービスとして実用化されるでしょう。

 

4.ドローン配送の実用化に向けた課題

ドローン配送を実現化させるには以下のような課題をクリアしなければなりません。

①重量物の長距離輸送が可能なバッテリーが必要

②ドローン配送を行うためのインフラ整備

③ドローン配送に適した人材の確保

では、1つずつ詳しく確認していきましょう。

①重量物の長距離輸送が可能なバッテリーが必要

ドローンに積載できるバッテリーの性能的に長距離の輸送は現実的ではありません。積載する荷物の重量分のパワーを出さなければなりませんし、運んだ荷物を下ろして戻ってくるだけのスタミナが必要です。

そのため、バッテリー性能の問題が解決されない限りは、ドローン配送は限定的な範囲でしか実用化されないでしょう。しかしバッテリーではなくエンジンを使った機体などであれば長距離飛行も可能となります。

②ドローン配送を行うためのインフラ整備

ドローン配送を実現するには法整備だけでなくインフラ整備も必要です。

例えば、ドローンの離発着を行う場所の確保や、配送先での着地場所の確保など施設内の設備が新たに求められるでしょう。個々の住居に荷物を配送する場合は、各家庭でドローンが着陸するための場所を確保する必要がでてくるでしょう。

その他にも、電波障害や通信の途切れが生じないだけの通信網の整備や、ドローンが飛行する動線をデザインする管理体制など課題は山積みと言えるでしょう。

③ドローン配送に適した人材の確保

ドローンによる配送は目視外かつ有人地帯上空を飛行させる形になるため、専門的な知識やスキルを有した人材の確保が必要になります。

ドローン新制度のスタートによって国家資格制度が創設され、一等資格を取得することでレベル4飛行が可能になるので、資格制度が順調に進めば十分な人材が確保できるはずです。

また飛行レベル3.5を行う場合にも二等資格が必要となるのでドローンで輸送を行いたい場合には、まずは二等資格を取得しておくといいでしょう。

 

5.まとめ

ドローンが運べる荷物の重量について調査しました。

市販のドローンはほとんど荷物を運搬することはできませんが、産業用ドローンになると50kg以上の荷物を輸送できるドローンもあるようです。

ドローン配送の実用化には課題が多いですが、法整備や資格制度が進められる中で実現に少しずつ近づいていると言えるでしょう。

ドローン大手のDJIからも配送用ドローンが販売されたのでこれからさらにドローン配送は活発になると思います。

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