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ドローンの国家資格(無人航空機操縦士技能証明)の取得から飛行までに必要な手続きを解説
ドローンの国家資格(無人航空機操縦士技能証明)を取得する方法は知っているけど、取得後に何をすればいいのかよく分からないとお困りの方も多いはずです。
確かに、資格試験に合格した後にどのような手続きが必要で、ドローンを飛行させるまでに何をすればいいのか気になりますよね。
今回はドローンの国家資格(無人航空機操縦士技能証明)を取得してから飛行するまでに必要な手続きを解説します。
ドローンの国家資格試験に合格した直後にする事
ドローンの国家資格試験に合格した直後にすることを解説します。
合格後は以下の手続きを行ってください。
試験合格証明書を発行する
試験に合格したら「試験合格証明書」を発行してください。
【発行手順】
①試験申込システムにログインする
②試験一覧から「試験合格証明書発行」をクリックする ③内容を確認して「申込み」をクリックする ④申込み内容がメールで通知される ⑤試験申込システムの「申込履歴」から試験合格証明書を確認する |
DIPS2.0で技能証明書の交付を申請する
次にDIPS2.0を使って技能証明書の発行を行います。
【発行手順】
①DIPS2.0にログインする
②航空法に基づく無人航空機関係手続きの一覧から「技能証明の取得申請へ」をクリックする ②「技能証明書の新規交付」をクリックする ③申請者情報を確認する ④合格者情報を入力する ⑤申請情報を確認する ⑥メールアドレス認証を行う |
100g以上のドローンには機体登録が必要
航空法では100g以上のドローンに対して機体登録が義務付けられています。未登録のドローンを飛行させることはできないので注意してください。
機体登録の手順は以下の通りです。
【機体登録の手順】
①DIPS2.0にログインする(未登録の場合はアカウントを作成する)
②「無人航空機の登録申請へ」をクリックする ③「新規登録」をクリックする ④本人確認方法を選ぶ ⑤所有者情報を確認する ⑥機体情報を入力する ⑦使用者情報を入力する(所有者と同一人物の場合は所有者情報が反映される) ⑧入力内容を確認する ⑨登録したメールアドレスに届いたメールを確認する ⑩本人確認を行う |
登録手続きが完了したら手数料(900円〜2,400円)を納付してください。
全ての手続きが完了すると「登録記号」が発行されるので、機体本体の見えやすい場所にシールなどを用いて貼り付けてください。
手続きの詳細は以下の動画で詳しく解説されています。
特定飛行を行う場合は方法に応じて許可申請が必要
航空法で定められる特定飛行を行う場合は、方法に応じて国土交通省への許可申請が必要です。
国家資格を取得すると、一部の特定飛行は許可申請が不要になりますが、それ以外に関しては承認を受けてから飛行させなければなりません。
【航空法で特定飛行に該当するもの】
飛行する空域 | ・空港などの周辺
・人口集中地区の上空 ・150以上の上空 ・緊急用無空域 |
飛行の方法 | ・夜間での飛行
・目視外での飛行 ・人または物件との距離を確保できない飛行 ・催し場所上空での飛行 ・危険物の輸送 ・物件の投下 |
特に目視外飛行と人または物件との距離を確保できない飛行は多くのシチュエーションで許可が必要となります。
まず目視外飛行は、撮影やカメラを見ながら操作する上でドローンのカメラ映像を見ながら操作するため、機体を目視しておらず目視外飛行となります。つまり機体が目視で見える範囲で飛行させていても映像を見てしまえばそれが目視外飛行になるのです。
また双眼鏡やビデオカメラ当で機体を見ても目視外になりますので注意してください。
こちらの記事ではその目視外飛行について詳しく解説しておりますのでもっと詳しく知りたい方は是非ご覧ください。
ドローンの「目視外飛行」とはどんな飛行?申請方法や資格は必要?
次に人または物件との距離を確保できない飛行についてですが、この距離はドローンから半径30mとなっております。そして物件には電柱や電線も含まれます。つまり私有地であっても半径30m以上の敷地が無いと離陸すらできないのです。
なのでドローンを飛行させる場合だいたいこの2つのどちらかに該当しているため、許可がないとドローンは飛ばせないと考えていいでしょう。
許可申請が必要な飛行方法
ドローンの国家資格を取得した方が特定飛行を行う場合、許可申請が必要かどうかは以下のフロー図から判断できます。
上記の通り、特定飛行の中でも「人口集中地区での飛行」「夜間飛行」「目視外飛行」「人または物件との距離が30m未満の飛行」に関しては、国家資格を取得しており機体認証のあるドローンを飛行させるのであれば許可申請は不要です。
ただし、「夜間飛行」「目視外飛行」を行うには、国家資格を取得するだけでなく限定変更が必要です。
許可申請を行う手順
特定飛行を行う上で許可申請が必要な場合は、DIPS2.0を通じて申請手続きを行います。
許可申請をする際には以下のものを用意してください。
【必要なもの】
・緊急連絡先(氏名/電話番号)
・ドローン情報基盤システムのアカウント(例:ABC123456 英字3文字+数字6文字) ・飛行及び機体情報 ・使用するマニュアル情報 ・操縦者情報 ・保険等の情報 |
手続きの手順は以下の通りです。
【許可申請の手順】
①DIPS2.0にログインする
②「飛行許可・承認申請へ」を選択する ③無人航空機情報を登録する ④操縦者情報を登録する ⑤「新規申請」を選択する ⑥簡易カテゴリー判定を行う ⑦飛行概要・飛行詳細を入力する(飛行承認が必要な理由で「夜間の飛行」を選ぶ) ⑧飛行機体と操縦者を選択する ⑨申請書の内容を確認する ⑩申請書を提出する |
飛行前には「飛行計画の通報」が必要
飛行計画とは、ドローンを飛行する日時や場所、高度、目的などの細かい情報を記入した書類のことです。
事前に飛行計画を通報させて共有することで、複数のドローンが同じ日時・場所で飛行して、事故が発生するのを防いだり、他の航空機との干渉を防いだりできます。
無人航空機の安全な運航のために飛行計画の通報は重要な制度でもあり、特定飛行を行う場合には、飛行前にDIP2.0を通じて「飛行計画の通報」が義務付けられています。
【航空法で特定飛行に該当するもの】
飛行する空域 | ・空港などの周辺
・人口集中地区の上空 ・150以上の上空 ・緊急用無空域 |
飛行の方法 | ・夜間での飛行
・目視外での飛行 ・人または物件との距離を確保できない飛行 ・催し場所上空での飛行 ・危険物の輸送 ・物件の投下 |
飛行計画を通報せずに特定飛行を行うと罰則が課される
飛行計画を通報せずに特定飛行を行うと、航空法違反として「30万円以下の罰金」が課されます。
特定飛行を行う際には、飛行計画の通報が義務付けられているので忘れないでください。
飛行計画で通報する事
飛行計画では主に以下の情報を通報します。
【飛行計画で通報する事】
・飛行日時や場所
・無人航空機の登録記号および種類 ・無人航空機の型式 ・操縦者の氏名 ・操縦者の無人航空機操縦者技能証明書番号(交付を受けている場合のみ) ・許可または承認の番号(許可・承認を受けている場合のみ) ・飛行の目的、高度および速度 ・飛行する飛行禁止空域および飛行の方法 ・出発地/目的地 ・目的地に到着するまでの所要時間 ・立入管理措置の有無及びその内容 ・保険の情報 |
「無人航空機操縦者技能証明書番号」や「保険の情報」など、必要な情報を事前に用意しておくと手続きがスムーズに進められます。
飛行計画の通報で必要なもの
飛行計画を通報するときは以下のものを用意します。
飛行許可承認申請に係る情報 | ・飛行許可番号
・許可書発行日 ・許可の期間(開始/終了年日) ・カテゴリー区分情報 |
飛行に係る情報 | ・飛行計画名称
・飛行日時(開始日時・終了日時) ・飛行日程(定期・複数日指定) ・飛行目的 ・飛行空域 ・飛行方法 ・立ち入り管理措置の有無 ・補助者配置の有無 ・補助者人数 ・係留飛行の有無 ・出発地 ・目的地 ・所要時間 ・飛行速度 ・飛行高度 |
その他 | ・ドローン情報基盤システムのアカウント
・機体情報 ・操縦者情報 ・保険等の情報 |
参考:ドローン情報基盤システム 操作マニュアル 飛行計画通報編
飛行計画を通報する手順
飛行計画の通報はDIP2.0を通じて行います。
具体的な手順は以下の通りです。
【飛行計画の通報手順】
①DIPS2.0にログインする
②「飛行計画の通報・確認へ」をクリックする ③「飛行計画の登録」をクリックする ④「新規通報」をクリックする ⑤必要事項を記入する ⑥飛行経路/範囲を地図上で描画する ⑦登録情報を確認する |
またこちらの記事では飛行計画の作成について詳しく解説しておりますので、ご覧ください。
ドローンの”飛行計画の通報”を解説!必要な場面と手続きの方法を要チェック!
飛行開始と終了の通報も行う
飛行計画を通報するだけでなく、「飛行開始」と「飛行終了」の通報も行います。
それぞれの手順は以下の通りです。
【飛行開始の手順】
①DIPS2.0にログインする
②「飛行計画の通報・確認へ」をクリックする ③「飛行計画の登録」をクリックする ④該当の飛行計画の「飛行状況」ボタンをクリックする ⑤飛行が開始されていることを確認する |
【飛行終了の手順】
①DIPS2.0にログインする
②「飛行計画の通報・確認へ」をクリックする ③「飛行計画の登録」をクリックする ④該当の飛行計画の「飛行状況」ボタンをクリックする ⑤「飛行終了」をクリックする |
飛行後は「飛行日誌の作成」が必要
ドローンを飛行させた後は「飛行日誌」の作成が求められます。
飛行日誌は特定飛行を行う場合には、作成と携行が義務付けされており、それ以外の飛行では義務付けられてはいませんが、作成が推奨されています。
飛行日誌には、飛行ごとの内容を記録するだけでなく、定期的な点検を行った結果も記載していきます。
「飛行記録」「日常点検記録」「点検整備記録」の3つを記録する
飛行日誌は以下の3つの情報を記録していきます。
飛行記録 | 飛行日時、離着陸場所、飛行時間などを記録する |
日常点検記録 | 日常点検を実施した日時、場所、結果などを記録する |
点検整備記録 | 点検整備を実施した日時、場所、内容などを記録する |
飛行場所や日時を記録するだけでなく、機体のメンテナンス情報も細かく記入する必要があります。
特定飛行を行う際は飛行日誌の携行が義務
航空法で定められる特定飛行を行う場合は、飛行日誌の作成だけでなく携行も義務付けられています。
確認事項などが発生した場合には、飛行日誌を使って速やかな確認ができるようにしてください。
事故などが起きたら速やかに報告を行う
飛行中にドローンが人に衝突したり、第三者の物を破損させたりした場合には、適切な対処を行わなければなりません。
事故発生後は速やかに怪我人などの救護を行い、警察や保険会社、敷地管理者など必要な機関への連絡を行います。
関係各所への連絡を行ったら、DIPS2.0から国土交通大臣に対して事故の報告をしなければなりません。
報告義務がある事項に関しては「事故」と「重大インシデント」の2つがあります。
事故 | ・ドローンによる人の死傷(重症以上の場合)
・第三者の所有する物件の損壊 ・航空機との衝突または接触 |
重大インシデント | ・ドローンによる人の負傷(軽傷の場合)
・ドローンの制御が不能となった事態 ・ドローンが飛行中に発火した事態 ・航空機との衝突または接触のおそれがあったと認めた時 |
事故の発生に対して報告を怠ったり、負傷者の救護などを行わなかったりすると、以下の罰則が課されるので注意してください。
・事故の未報告
・虚偽の報告を行った場合 |
30万円以下の罰金 |
・負傷者の救護など必要な措置を講じなかった | 2年以下の懲役 or 100万円以下の罰金 |
飛行日誌の書き方
飛行日誌はテンプレートを用いて作成するのが一般的です。
テンプレートは「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」から確認できます。
【飛行日誌のテンプレート一例】
飛行記録のテンプレ | |
日常点検記録のテンプレ | |
点検整備記録のテンプレ |
ドローンの国家資格を取得して飛行させるまででよくある質問
ドローンの国家資格を取得して飛行させるまででよくある質問をまとめました。
ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にしてみてください。
作成した飛行計画を確認・変更する方法は?
作成した飛行計画はDIPS2.0上で確認できます。
【確認方法】
①DIPS2.0にログインする
②「飛行計画の通報・確認へ」をクリックする ③「飛行計画の参照」をクリックする ④確認したい飛行計画を検索する |
飛行計画を変更する際は以下の手順で行います。
【変更方法】
①DIPS2.0にログインする
②「飛行計画の通報・確認へ」をクリックする ③「飛行計画の登録」をクリックする ④変更する飛行計画の「更新」ボタンをクリックする ⑤変更する項目を修正する ⑥登録情報を確認する |
飛行計画の通報や飛行日誌の作成は義務?
航空法で定められる特定飛行を行う場合、飛行計画の通報と飛行日誌の作成が義務付けられています。
これらの義務を怠ると、航空法違反として罰則が課されるため注意してください。
飛行計画の通報を怠った場合 | 30万円以下の罰金 |
飛行日誌の作成や携行を怠った場合 | 10万円以下の罰金 |
【航空法で特定飛行に該当するもの】
飛行する空域 | ・空港などの周辺
・人口集中地区の上空 ・150以上の上空 ・緊急用無空域 |
飛行の方法 | ・夜間での飛行
・目視外での飛行 ・人または物件との距離を確保できない飛行 ・催し場所上空での飛行 ・危険物の輸送 ・物件の投下 |
「飛行許可申請」と「飛行計画」と「飛行日誌」の違いは?
「飛行許可申請」と「飛行計画」と「飛行日誌」の違いは以下の通りです。
飛行申請 | 特定飛行を行う際に国土交通省に対して許可承認を得るための手続き |
飛行計画 | ドローンを飛行させる日時や経路、場所、目的などを記載した計画 |
飛行日誌 | 「飛行記録」「日常点検記録」「点検整備記録」が記載されたもの |
それぞれの手続きは必要に応じて行う必要があります。
まとめ
ドローンの国家資格(無人航空機操縦士技能証明)を取得してから飛行するまでに必要な手続きを解説しました。
国家資格を取得したら終わりなのではなく、ルールを遵守してドローンを安全に飛行させるための手続きが必要になります。
またそもそもの国家資格について詳しく知りたい方やその国家資格がどのような場面で活かせるのか詳しく知りたい方は是非ドローンスクール千葉幕張の無料体験会へお越しください。
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