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「中国産と国産ドローンの現状」~国産ドローン蒼天について~
ドローンといえば世界最大手のDJIがまず最初に思い浮かびます。
しかし近年では中国メーカーでもあるDJIのドローンが世界各国から排除される動きが進んでいます。
DJI製品は世界中で高く評価されているものの、中国産ドローンによる情報流出リスクが懸念されており、日本でも中国産ドローン排除の流れとなっています。
そんな中、日本では国産ドローン「蒼天」が開発され、中国産ドローンに代わる存在として注目を集めています。
今回は世界中で進む中国産ドローン排除の流れと国産ドローン「蒼天」について解説していきます。
世界各国で中国産ドローンを排除する動きが進む
DJIを始めドローンメーカーといえば中国メーカーが真っ先に思い浮かびます。
スタンダードなドローンだけでなく、トイドローンでお馴染みのHolly Stoneも中国企業なのです。
そのため、初心者から上級者まで中国産のドローンが有力な選択肢に入ってきます。
そんな中、世界各国で中国産のドローンを排除する動きが活発化しています。
ドローンだけではない中国企業排除の流れですが、このような流れはなぜ起きたのか詳しくみていきましょう。
中国産ドローンを排除する理由
中国産ドローンを排除する動きが広まるきっかけとなったのは、2017年に中国で制定された「国家情報法」が原因です。
国家情報法とは、企業などの中国にある全ての組織が中国政府に対して情報提供を行うことを求めるものです。
そのため、中国企業が商品やサービスを提供する中で得られた機密情報が、中国政府に流出するリスクが懸念されてきました。
この法律が制定されたことをきっかけに、アメリカ陸軍では中国製ドローンの使用を禁止しました。
また、ドローンに限らず中国に対して強い規制を行ってきました。
ドローンによる情報流出リスク
個人向けドローンだけでなく産業用ドローンは、個人情報や機密情報が詰まっており、流出することで甚大な被害が想定されます。
例えば、防災やインフラ点検、測量などで得られたさまざまな情報は、他国に流れてはいけない重要な機密情報です。
飛行データや撮影データ、通信などにおけるセキュリティ面において、中国産ドローンのリスクが高まる中で排除の動きが進んできました。
日本でも政府機関によるドローン調達に制限が加わる
世界各国で中国産ドローン排除の動きが進む中で、日本でも実質的な排除を打ち出しています。
日本でもDJIのドローンは個人向け・産業向け問わず幅広く普及しているのですが、中国政府への機密情報流出リスクが懸念されています。
では、日本での中国産ドローン排除の動きについて詳しく解説します。
政府機関による中国産ドローンの新規調達を事実上排除
日本では、2020年9月に「政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針」を打ち出しました。
これによって政府機関が重要インフラの点検や測量といった業務などで使用するドローンを新たに調達する際に審査に通過しなければならなくなりました。
明記はしていないものの、実質的な中国産ドローンの新規調達を排除したことになります。
地方自治体や消防本部については規制の対象ではないものの、中国産ドローンの新規調達を控える動きが進んでいます。
やはり重要インフラに関連する業務で得られた情報が中国政府に流出するリスクを考慮すると、いくら性能が高くてもDJIなどの中国産ドローンはリスクが高いと判断されています。
中国製ドローンの世界シェアは80%
中国産ドローン排除の動きが活発化するとはいっても
DJIを始めとする中国産ドローンの世界シェアは80%
開発競争が激化しており、生産も盛んで国を挙げて品質向上に取り組んでいる状況もある中で、
圧倒的な世界シェアを実現しています。
そのため、中国産ドローンの排除を進める中で、
いかに国産ドローンを確保するのかという課題も浮かんでいます。
中国産ドローンから国産ドローンへの置き換えが進む可能性あり
日本でも政府機関による中国産ドローンの新規調達をストップしたことを背景に、
今後中国産ドローンから国産ドローンへの置き換えが進むと言われています。
インフラ点検や防災など機密情報を収集する業務を行う上で、セキュリティリスクを軽減する上でも国産ドローンが求められています。
依然としてドローン活用の需要は高い
日本では少子高齢化が進んでおり、産業分野によっては人手不足などの問題も生じています。
そのような背景で、災害救助やインフラ点検、農業などさまざまな分野でのドローン活用の需要は増しています。
運営会社である住まいあんしん俱楽部では、ドローンを活用した災害協定を結んでいます!
新制度のスタートで目視外+第三者上空での飛行が可能になる
2022年12月からドローン新制度が施行され、目視外かつ第三者上空での飛行が実現される中で物流や災害など、多分野での活用が進められていくでしょう。
その上でセキュリティ上の安全性や信頼性を備えた国産ドローンの開発が求められています。
国産ドローン「蒼天」が誕生
中国産ドローンが排除される流れの中で、産業用ドローンなどを手がけるACSLは、
国産ドローン「蒼天」を開発しました。
産業用ドローンとしてさまざまな業務が行える一方、飛行データや撮影データなどに関するセキュリティ対策がされています。
基本的なスペックは以下の通りです。
サイズ | アーム展開時:637mm×560mm(プロペラ含む)
アーム収納時:162mm×363mm |
機体重量 | 1,720g(標準カメラ・バッテリー含む) |
最大離陸重量 | 2,000g |
最大飛行時間 | 標準カメラ搭載時、風速8m/s条件下:25分
標準カメラ非搭載時、風速8m/s条件下:29分 |
最大伝送距離 | 4km |
防塵・防水性 | IP43(カメラ、ジンバル、バッテリー搭載時) |
標準カメラ | 動画4K対応 静止画時2,000万画素 |
オプションカメラ | 赤外線カメラ+可視カメラ / マルチスペクトルカメラ
光学ズームカメラ |
リモート | Bluetooth |
GNSS | GPS+QZSS(準天頂衛星みちびき)+SLAS/SBAS |
クラウド | 撮影画像・動画保管機能 / フライトログ保管機能 |
セキュリティ対策 | フライトログ・撮影データ漏洩防止
通信の暗号化 / 機体と送信機のペアリング |
機能 | 自動飛行 / 画像トラッキング
3方向センサによる衝突回避 |
機体制御プロトコル | MAVLink準拠 |
付属品 | 標準送信機 / バッテリー(94Wh)
標準充電器 セキュアフライトマネジメントクラウド※(3年分、5GB) |
オプション品 | スマートコントローラー / 送信機フード
予備プロペラ / 教習送信機 プロペラガード / LTE通信モジュール 収納ケース(ハード) / 予備バッテリー(94Wh) 収納ケース(ソフト) / マルチマウント 3連充電器 / 上部カメラマウント(開発中) |
では、そんな国産ドローン「蒼天」の特徴について詳しく解説していきます。
国産パーツを使用し高いセキュリティ性能を搭載
蒼天に使われている主要部品は国産品を使用し、それ以外は信頼性の高い海外からの調達品を使用しています。
ISO 15408に基づいたセキュリティ対策を搭載しており、通信データや撮影データの暗号化などを通じてセキュリティ性能を高めています。
データ漏洩や抜き取り、機体の乗っ取りといったさまざまリスクに対する耐性を実現しています。
ワンタッチで切り替え可能なカメラ機能
小型空撮ドローンとしては初めて、ワンタッチでカメラが切り替えられる方式が採用されています。
さまざまな種類のカメラを使い分けることで、幅広い業務で最適なカメラ選択が可能です。
災害時など厳しい環境でも使用できるスペック
蒼天には最大対気速度15m/sという風への強さを搭載しており、災害時でも安全に使用できるスペックが搭載されています。
現場で安定して使える性能を持っており、位置情報機能についても日本において高精度で使える「SLAS/SBAS」が搭載されています。
災害現場において過酷な環境にも耐え、正確な位置情報の把握による円滑な業務を可能にしています。
国産ドローン「蒼天」の活躍シーン
では、国産ドローン「蒼天」の具体的な活躍シーンについて紹介していきます。
セキュリティ性能の高さだけでなく、さまざまな業務への対応力や使いやすさについても注目してみてください。
測量
蒼天に搭載されているスタンダードカメラを使用することで、測量業務に対応することができます。
カメラには大口径のレンズと独自の信号処理を備えることで、ノイズを抑えた高画質撮影を実現しています。
静止画・動画ともにクオリティに優れる高精細な記録が可能なので、生産性の高い業務が可能になでしょう。
点検
蒼天のオプションには光学ズームカメラが付属しており、こちらを使えば点検用のドローンとしても活用できます。
被写体に近づくのが難しい環境でも、しっかりとズームをして細かい部分をチェックすることができるので、コンクリートのひび割れや送電線の点検など、さまざまな場面に対応可能です。
被写体に近寄らずにできる遠隔点検もできるので、点検業務をより安全かつ効率的に行えるでしょう。
災害初動対応
蒼天のオプションで付属している「可視+IRコンボカメラ」を使うことで、熱エネルギーの可視化が可能になります。
災害発生時など瓦礫や土砂崩れなどで身動きが取れない人がいたとしても、ドローンによって発見をして救助にあたることができます。
通常のカメラだけでは捉えきれない物や暗くて物が見えづらい夜の業務にも対応が可能です。
測定
蒼天には「マルチスペクトルカメラ」というオプションが付属しています。
一眼でのNDVI測定ができるようになるので、田畑の植生状況を可視化できる上に、リアルタイムでの表示が可能になります。
広範囲をスピーディーにモニタリングできるので、作業の効率性をグッと高めることができるでしょう。
国産ドローンが求められる場面は?
中国産ドローンの情報流出リスクから国産ドローンへの置き換えが進む中で、国産ドローンが使用される場面も増えてくることが予想されます。
国の重要施設やインフラでの点検業務については実質的に国産ドローンを使用する流れになっています。
地方自治体や消防などについては適用外ではありますが、業務内容や業務によって収集されるデータを考慮すると、国産への置き換えは時間の問題と言えるでしょう。
自治体などからの委託を受けて業務を行う企業または個人の方は、国産ドローンへの置き換えを検討しなければいけないでしょう。
国産ドローン「蒼天」の購入方法は?
国産ドローン「蒼天」は市販されておらず、入手は代理店からの購入のみとなっています。
利用する代理店を選択して問い合わせを行ってください。
代理店の一覧については「こちら」から確認してください。
【株式会社住まいあんしん倶楽部(←社名)ドローンスクール千葉幕張】は
国産ドローン「蒼天」の販売代理店ですので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
まとめ
中国産ドローンが世界中で排除される流れと国産ドローン「蒼天」について解説していきました。
世界最大手のDJIを有する中国ではありますが、情報流出リスクから国産ドローンへ置き換える流れが発生しています。
そのような中、国産ドローン「蒼天」が産業用ドローンとして、国内で広く流通していく可能性もあるので、今後の流れを注目してみてください。
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