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ドローン情報

ドローンビジネスの市場規模はどれぐらい?国内外の市場規模や求人数は増えているのか調査!

 

2022年12月の法改正によって有人地帯上空での目視外飛行、いわゆるレベル4飛行が解禁されたことで、ドローン業界に大きな期待が集まっています。

各分野でのドローンの活用が進む中で市場規模も年々成長を続けており、ドローン操縦者としての需要も増しています。

しかし、具体的に「ドローンの市場規模ってどれぐらい?」「ドローン操縦者の求人ってどんな感じ?」などと知っている人はあまり多くありません。

そこで今回はドローンビジネスの市場規模やドローン操縦者の求人数について調査していきます。

ドローンビジネスの主な種類

まず最初にドローンビジネスにはどのような種類があるのか分類します。

主な種類は以下の3つです。

①ハードウェア ・機体メーカー

・機体制御センサー機器メーカー

・データ取得機器メーカー

・周辺機器・部品メーカー

②サービス・ソフトウェア ・サービス提供企業 (ソリューション提供企業)
・ソフトウェア
③ドローン関連ビジネス ・スクール

・ドローン練習場/飛行場

・保険 ・セキュリティサービス提供企業

・管制システム

・業界団体

では、1つずつ詳しくみていきましょう。

①ハードウェア

ハードウェアは、主にドローン本体や周辺部品などが挙げられます。

機体市場では世界最大手のドローンメーカー・DJIが牽引しており、世界シェアの70%程度を占めています。

個人向けドローンだけでなく、産業用ドローンも積極的に開発されており、各分野への導入に向けて専用の機能を搭載したドローンも数多くあります。

②サービス・ソフトウェア

サービス・ソフトウェアは、主にドローンを活用したサービスを提供する企業の売上を指しています。例えば、ドローンを用いた点検や農薬散布、測量などの依頼を請け負っている企業が挙げられます。

ドローンサービス市場は、3つの業種の中で最も成長をしており、2022年から2023年にかけて市場規模が約400億円増えています。

法改正によってレベル4飛行が実現され、実証実験段階のサービスが実用化されることで、今後サービス市場が加速度的に成長するでしょう。

③ドローン関連ビジネス

ドローン関連ビジネスとは、ドローンスクールや練習場/飛行場、ドローン保険、ドローン資格などのサービスを指します。

3つの分野の中では、市場規模は最も小さいのですが、こちらも年々成長を続けており、2022年12月から国家資格制度が開始したことで、スクール事業などはさらに伸びてくると予想されます。

ドローンの専門的な人材は、市場の成長と比較して不足傾向にあるため、今後はドローンスクールを中心とした人材育成事業に注目が集まっています。

 

ドローンビジネスの市場規模はどれぐらい

ドローンビジネスの市場規模について解説します。

国内外の市場規模や業種別・分野別の市場規模など、細かく見ていきましょう。

①国内市場規模は約3800億円

2023年度のドローンビジネスの市場規模は約3,800億円と言われています。

市場規模は年々成長を遂げており、2022年の3,087億円から741億円の増加となっています。

今後も市場規模は成長すると予想されており、2025年度には2022年度の倍の約6,000億円、2028年度には9,000億円を上回る見込みです。

レベル4飛行が解禁され、さまざまなドローンサービスの拡大が予測される上に、ドローン配送やAIを活用した自動飛行などの実用化で市場規模のさらなる成長が期待できます。

①−1.国内市場の主な内訳

業種別の国内市場の規模は以下の通りです。

業種 2022年度 2023年度
ハードウェア 848億円 1063億円
サービス・ソフトウェア 1,587億円 2,006億円
ドローン関連ビジネス 652億円 759億円

主な内訳を見ると、ドローンを活用したサービスの市場規模が最も大きいようです。

各業種で市場規模は成長しているのですが、中でもドローンサービスの著しい成長が予測されています。

①−2.分野別の市場規模

分野別のドローンビジネスの市場規模は以下の通りです。

分野 2022年度 2023年度
土木・建築 212億円 298億円
点検 602億円 780億円
農業 461億円 497億円
防犯 80億円 96億円
物流 24億円 37億円
空撮 53億円 75億円
その他サービス 154億円 223億円

現在ではドローンビジネスを牽引している分野は「点検」や「農業」の2つです。

やはり人手不足や作業の危険性など、人からドローンに置き換えるメリットの大きさから積極的に活用されていると考えられます。

また、ドローンのイメージが強い空撮ですが、市場規模に占める割合はそこまで大きくないようです。

参考:2023年度、日本国内におけるドローンビジネスの現状と今後の展望

 

②世界市場規模は3.3兆円

国内市場は2023年時点で約3,800億円ですが、世界市場では2020年に225億ドル(約3.3兆円※)と言われています。

2025年には428億ドル(約6.3兆円※)と約2倍に成長すると予想されており、積極的な投資が行われています。

商業用ドローンの市場はアメリカと中国が支配しており、世界の2/3以上を占めています。

産業分野では、エネルギー、農業や建設などの分野での市場規模が大きくなっており、今後は輸送分野での成長が見込まれています。

※1ドル=147円で計算

参考:DRONE INDUSTRY INSIGHTS

 

ドローンビジネスの市場規模の現状は?

ドローンビジネスの市場規模の現状や今後どのような動きを見せていくのかを解説します。

数字の部分だけでなく、ドローン業界を取り巻く状況がどうなっているのかを詳しくみていきましょう。

①2022年度の法改正でレベル4飛行の解禁が進む

2022年12月の航空法改正によって、有人上空での目視外飛行(レベル4飛行)を解禁するための法整備が行われました。

ドローン操縦者を対象にした国家資格の創設や機体認証制度を導入するなどで、さらなるドローンの活用を普及するための環境整備が進められています。

これまでは限定的な環境でしかドローンが飛ばせない状況だったのですが、今後あらゆる場面でドローンが飛行できるため、活躍の幅はさらに広がっていくでしょう。

さらに2023年11月にはドローン配送を普及させるために新制度である飛行レベル3.5が導入され、より実用化しやすい体制となりました。今後もドローンを活用した事業が普及しやすいように官民一体となって法律や制度が整備がされていくと予想されます。

また飛行レベル3.5やその他飛行レベルについて詳しくはこちらをご覧ください。
ドローンの規制が緩和される?新制度レベル3.5飛行とは?

②実用段階の業界は伸びているが実証実験段階の業界は厳しい

産業界でのドローンの活用は幅広く進んでおり、特に農業や点検、測量といった分野で積極的に導入されています。

上記のような既に実用化されている分野の市場規模は拡大を続けており、今後もさらなる成長が期待できます。

一方で、ドローン配送などの実証実験から実用化に向けたステップの分野については、まだまだ成長は鈍いようです。今後は実証段階のサービスが実用化することで、市場規模がさらに拡大していくでしょう。

またこちらの記事では現在運用されているドローン配送サービスについて紹介しているので詳しく知りたい方は是非こちらをお読みください。
【2024年】現在実施されているドローン配達サービスを紹介!ドローン配送の実施事例をチェックしよう

③ドローンの専門的な人材不足が目立つ

ドローンの市場規模の拡大や各分野での実用化が進められる中で、ドローン操縦者を中心に専門的な人材が不足しています。

国家資格制度を創設して、ドローンスクールを中心にドローン人材の育成を進めているのですが、市場の拡大に追いついていないのが現状です。

また、ドローン操縦者だけでなく、運航管理などのマネジメント業務の人材も求められています。

 

分野別のドローンビジネスの進展状況

分野別のドローンビジネスがどのような状況になっているのかを解説します。

具体的な産業でドローンがどう活用されているかを詳しくみていきましょう。

①農業

農業分野では主に農薬散布や農業モニタリングの分野でドローンの活用が進められています。

ドローンによる農薬散布のイメージが強い農業分野ですが、それ以外にもドローンによる農作物の管理もできるようになっており、農業をより省コストかつ効率的に行える活用が広まっています。

さらに、実際にドローンを運用していく上で、シェアリングサービスを検証するなど、ビジネスとしての発展も期待できます。飛行経路を設定することにより、ワンタッチで農薬散布や作物の状況を観察できるため、ドローンを活用するメリットは大きいことがわかります。

②土木・建築

土木・建築分野では、主に測量業務でドローンの活用が進められています。

ドローンで測量を行うことで、コストの削減に加えて、あらゆる地形で広い範囲に渡る測量も可能になっています。

「i-construction」と呼ばれる建設現場におけるICT技術の導入を促進するプロジェクトにおいても、ドローンによる測量が定着しており、業界内でのDX化の推進と共に拡大を続けています。

 LiDARを搭載したドローンであれば地形の3Dマップも作成できます。

③点検

点検分野では、ソーラーパネルや屋根の点検業務で本格的にドローンが活用されています。

ドローンに赤外線カメラを搭載すれば、ソーラーパネルの異常発熱を検知できますし、人が行うと危険が伴う屋根の点検もドローンで簡単に行うことができます。

その他にも、橋梁などの公共インフラ点検やインフラ施設の点検においても、部分的なドローンの導入が進められています。

構造物や屋内の点検においては屋内専用ドローンもあり、人の入れない狭い空間の点検も可能になっております。

④物流

ドローンによる物流は安全性やインフラなどの観点からやや遅れていた分野なのですが、2022年12月の法改正によって今後スムーズに拡大する可能性があります。

実際に離島地域や山間部などでは、日用品や医薬品のドローン配送が導入されており、物流分野の人手不足問題やインフラ維持の問題解決が期待されています。

ただ、ビジネスとして成り立たせるには、医薬品などの軽量かつ付加価値の高い物の配送を行う必要があり、日用品の配送に関しては課題が残ります。

物流に関してはこちらの記事で実際に行われているサービスなどを紹介しておりますのでこちらも是非ご覧ください。
【2024年】現在実施されているドローン配達サービスを紹介!ドローン配送の実施事例をチェックしよう

 

ドローンビジネスの求人数はどれぐらい?

ドローン市場が拡大する中で、ドローン操縦者を始めとするドローン人材の需要が増えています。

そこで気になるのがドローンビジネスに関連する「求人数」ですよね。

ここでは、ドローンビジネスの求人数はどれぐらいなのかを調査します。

①indeedの求人数(2024年1月時点)

indeedを使って「ドローン」の求人を検索すると、2,116件の求人がヒットしました。

「ドローン 操縦」でも1,605件がヒットしており、年収や雇用形態ごとの求人数は以下の通りです。

予想年収 「ドローン」で検索した求人数
300万円 1,871件
400万円 620件
500万円 409件
600万円 256件
700万円 154件

 

雇用形態 「ドローン」で検索した求人数
正社員 1,816件
派遣社員 128件
業務委託 95件
契約社員 43件
アルバイト・パート 32件
新卒 19件
請負 9件
嘱託職員 5件
インターン 4件
ボランティア 1件

予想年収は300万円台が多いのですが、雇用形態としては正社員がほとんどです。

②dodaの求人数(2024年1月時点)

dodaを使って「ドローン」の求人を検索すると、2,106件の求人がヒットしました。

しかし、「ドローン 操縦」で検索すると、ヒットした求人は75件でした。

求人サイトによってドローン関連の求人数に差があるようなので、仕事を探す際には転職サイト選びが重要なようです。

③リクルートエージェント(2024年1月時点)

リクルートエージェントを使って「ドローン」の求人を検索すると、2,085件の求人がヒットしました。

しかし、「ドローン 操縦」で検索すると、ヒットした求人は59件でした。

こちらもドローン操縦士に限って求人を探すと、あまり多くはないようです。

 

ドローン操縦士の具体的な求人内容を紹介

ドローン操縦士の具体的な求人内容を紹介します。

どのような求人が公開されているのか、具体的な内容をみてイメージを膨らませてみましょう。

【農薬散布のドローンパイロット】

勤務地 茨城県 日立市 多賀町
勤務先 エル・アバンダンス株式会社
雇用形態 業務委託
給与 日給 2万円 ~ 4万円
勤務時間 2024年4月~9月の中で数日間の短期
仕事内容 ゴルフ場などでドローンによる農薬散布を行う

 

【ドローンオペレーター】

勤務地 東京都 千代田区 麹町
勤務先 ASC TECH Agent株式会社
雇用形態
給与 月給 35万円
勤務時間
仕事内容 測量業務やインフラ点検、農作物の生育状況の確認等をドローンを操縦して行う

 

【Biz ドローンパイロット】

勤務地 東京都 渋谷区 渋谷
勤務先 テラドローン株式会社
雇用形態 正社員
給与 年収 350万円 ~ 500万円
勤務時間 9:00〜18:00
仕事内容 ・ドローンを活用した測量
・基本測量、3次元測量の実施
・解析業務

 

まとめ

ドローンビジネスの市場規模や求人数を調査しました。

市場規模は年々成長しており、今後も加速度的な進歩が期待されています。また求人数も年々増えており、ドローン操縦士としての需要も増していくでしょう。

法改正やインフラ整備が進む中で、国内のドローンビジネスがどのような発展を遂げていくのか注目していきましょう。

また今ではドローンの国家資格制度も始まており、一部飛行方法においてドローンを飛行させるには資格が必須にもなりました。お仕事や趣味で飛行させる上でも飛行申請の際に必要な10時間以上の飛行証明として資格は活かせるので、ドローンを飛ばす第一ステップとして資格を取得してみてはいかがでしょうか。

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