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ドローンルール

【2026年7月改正】ドローン教則が第5版に|第4版からの変更点5つを解説

 

【2026年7月改正】ドローンの教則が「第5版」に|第4版からの変更点5つを図解で解説

監修・執筆:ドローンスクール千葉幕張(国土交通省 登録講習機関/登録番号 0208・幕張校/木更津校) | 公開日:2026年7月 | 本記事は国土交通省の一次資料(下記PDF)に基づいて作成しています。

ドローンスクール千葉幕張の座学講習で使用している教則ベースの学科資料

当校の座学講習の様子。学科講習の内容も第5版に合わせて更新しています。

国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則」が、令和8年(2026年)7月7日に第5版として公布され、7月14日から適用になりました。教則は国家資格(技能証明)の学科の土台となる資料ですが、今回の改訂は試験を受けない方にも関係する内容を多く含みます。この記事では、第4版からの5つの変更を、「関係する人が多い順」という当校独自の並びで、実務への影響を中心に解説します。

1. 飛行禁止エリアが300m→1,000mに拡大教則 3.2.1

関係する人:ドローンを飛ばす全員(100g未満のトイドローンも含む)

今回の改訂で影響範囲が最も広いのがこれです。教則第5版には、同日に施行された小型無人機等飛行禁止法の改正が反映されました。国会議事堂・原子力事業所・対象空港・対象防衛関係施設といった重要施設のまわりに設定される飛行禁止の周辺エリア(イエローゾーン)が、従来のおおむね300mから、おおむね1,000mへと広がっています。

第4版重要施設の敷地(レッドゾーン)+周囲おおむね300mで飛行禁止。周辺エリアでの違反は、警察官の命令に従わなかった場合に罰則という仕組み。
第5版周辺エリアがおおむね1,000mに拡大(単純計算で面積は約11倍)。さらに、周辺エリアの無許可飛行そのものが直ちに処罰の対象になった(2026年7月14日施行)。

同じ施設を中心に置いたときの範囲イメージ

🏛

レッドゾーン=重要施設の敷地・区域そのもの
改正前の周辺エリア=周囲おおむね300m(〜7月13日)
改正後の周辺エリア=周囲おおむね1,000m(7月14日〜)

誤解しやすいポイントこの規制は航空法ではなく小型無人機等飛行禁止法という別の法律によるもので、機体の重さを問いません。航空法の登録義務がない100g未満のトイドローンでも、重要施設の周辺では飛ばせない点にご注意ください。

2. 技能証明の更新は「満了1か月前」までに教則 3.1.2(5)3)

関係する人:国家資格(一等・二等)をすでにお持ちの方

技能証明(有効期間3年)の更新手続きについて、申請できる期間の記載が改められました。背景には、令和7年12月に公布・施行された航空法施行規則(236条の57)の改正があります。更新の審査には最長1か月ほどかかるため、手続きの途中で資格が切れてしまう事態を防ぐことが目的です。

第4版「満了日の6か月前から申請できる」という記載で、期限側の定めがはっきりしなかった(満了日ぎりぎりの申請も受け付けられていた)。
第5版申請できるのは「有効期間満了日の6か月前から1か月前まで」と明確化。満了直前の1か月間は申請できない。

申請できる期間の比較(帯の長さは目安です)

第4版

申請できた
第5版

申請できる
▲ 満了日の6か月前▲ 1か月前満了日

満了直前の1か月(赤)に入ると、その期は更新申請ができません。

2022〜2023年度に取得した方は特にご注意を制度開始の初期に資格を取った方から順に、最初の更新期を迎えています。更新講習は満了日の9か月前から受講できるので、「9か月前に講習の予定を立てる → 6か月前〜1か月前に申請」という流れで早めに動くのがおすすめです。まずは技能証明書に記載の有効期限をご確認ください。
更新講習の費用や流れは 技能証明の更新ガイド にまとめています。当校でも更新講習を受け付けています。

3. 保険加入が求められる飛行が明文化教則 2.3.3

関係する人:総重量25kg以上の機体・レベル3.5飛行の運航者(受験者は用語として要チェック)

ドローンの保険は、自動車の自賠責のような強制加入の仕組みがなく、あくまで任意というのが大前提です。この前提は第5版でも変わっていません。変わったのは、操縦者の心得の章(2.3.3)に、第三者賠償責任保険への加入が「求められる」飛行がはっきり書き込まれたことです。

第4版保険は任意であり加入が望ましい、という一般的な記述が中心。加入が求められるケースの明示は限定的だった。
第5版カテゴリーⅡ飛行のうち「総重量25kg以上の機体の飛行」と「レベル3.5飛行」では、十分な補償が可能な第三者賠償責任保険への加入が求められる、と2.3.3に明記。

第三者賠償責任保険への加入が求められる2つの飛行

総重量25kg以上の機体を飛ばすとき令和7年10月1日の審査要領改正により、飛行許可・承認の申請で保険加入が必須となった流れを教則に反映。保険が前提
レベル3.5飛行を行うとき令和5年12月の制度新設時から、保険加入は実施条件のひとつ。保険が前提
読み方のコツ「任意が原則。ただしこの2つは加入が求められる」という二段構えで覚えると、実務でも学科でも混乱しません。対象の飛行をされる方は、契約中の保険がその機体・飛行形態を補償するか、補償額が十分かを事前に確かめておきましょう。

4. 工業専用地域はDIDの手続きが不要に教則 3.1.2(2)1)

関係する人:人口集中地区(DID)内で点検・空撮などの業務飛行をする方

人口集中地区(DID)の上空は原則として飛行に許可が必要ですが、第5版では、規制対象となる空域の記述に「工業専用地域内の区域の上空を除く」という一文が加わりました。都市計画法で工業専用地域に指定された区域——住宅が建てられない、純粋な工場地帯——では、DIDに関する許可手続きがいらなくなったということです。

第4版DIDの内側であれば、工場地帯かどうかに関係なく飛行の許可手続きが必要だった。
第5版DIDの内側でも、工業専用地域に当たる区域ならDIDの許可手続き等は不要と明記された。

DID(赤の網掛け)の中で、工業専用地域の区画だけ扱いが変わりました

第4版(改正前)

人口集中地区(DID)

🚁


🏭 工業専用地域ここもDID扱い=許可が必要

工場地帯でも許可の手続きが必要

第5版(改正後)

人口集中地区(DID)

🚁


🏭 工業専用地域DIDの許可手続きが不要に

工業専用地域だけ「対象外」に

工業専用地域はDIDの中にある区画です。DID全体(赤の網掛け)は許可が必要なままで、その中の工業専用地域(中央の四角)だけが第5版で「DIDの許可手続き不要」に変わりました。※図は概念図。該当区域は各市町村の用途地域図でご確認ください。

免除されるのは「DIDの許可」だけです夜間・目視外・人や物件から30m未満といった飛行方法の規制、そして機体登録・リモートID・飛行計画の通報などの義務は、工業専用地域でも従来どおり適用されます。

5. 農薬散布などの承認が「条件つき」で不要に教則 3.1.2(2)3)

関係する人:農業・林業でのドローン散布、散布請負事業の方

農薬などの空中散布は、性質上どうしても「夜間や早朝の飛行」「目視外」「人・物件との30m未満」「危険物輸送」「物件投下」に該当しやすく、これまで都度の承認申請が現場の負担になっていました。第5版では、航空法施行規則第236条の82第1項第2号に定める条件をすべて満たす散布については、この5種類の承認手続きを省略できるという例外が書き加えられました。

第4版散布に伴う夜間・目視外・30m未満・危険物輸送・物件投下は、いずれも都度の承認が必要だった。
第5版施行規則の条件をすべて満たす農薬等の空中散布は、5種類の承認手続きが不要になった。

承認を省略できるのは「機体」と「操縦者」の条件が両方そろったとき

機体側の条件
機体認証を受け、飛行方法に応じた基準への適合が確認された機体
操縦者側の条件
技能証明の保有など、必要な知識・能力があること
両方そろって
承認手続き不要(夜間・目視外・30m未満・危険物輸送・物件投下)

認証を受けた機体を使うだけ、資格を持っているだけ、のどちらか一方では対象になりません。

このほか、運用面でも次のような条件が付いています(主なもの)。

  • 散布場所は、自分または関係者が所有・管理する農地や森林(隣接して一体の農業用道路などを含む)であること
  • 高さは地表・水面や農作物の上端から4m以下に収めること
  • 夜間飛行・目視外飛行をする場合は自動操縦で行い、機体は総重量25kg未満であること
  • 飛行範囲を制限する機能や、不具合発生時に安全を確保する機能を備えていること など
実際に散布される方へ細かな条件は、令和8年6月に制定された通達「航空法施行規則第236条の82第1項第2号の規定により飛行の方法に係る承認が不要な飛行の取扱い」と、対応する航空局標準マニュアルに定められています。散布計画を立てる前に、必ず最新の通達本文でご確認ください。

学科試験への影響:7月14日以降の受験は第5版がベース

教則は学科試験の出題範囲の土台です。第5版の適用日は令和8年7月14日で、学科試験の出題基準もこの適用に合わせて切り替わります(前回の第4版のときも、適用のタイミングで出題基準が第4版へ移行しました)。

7月13日までに受験する場合

出題の土台は第4版。これまでの学習内容のままで対応できます。

7月14日以降に受験する場合

出題の土台は第5版。この記事の5つの変更点を、いまの知識に上書きしておきましょう。

なお、教則の大部分は第4版から変わっていません。変更は本記事の5点+文言の整理なので、第4版ベースの教材を使ってきた方も、差分を押さえれば教材を買い替える必要はありません。最新の出題基準の告知は、指定試験機関(日本海事協会)の案内もあわせてご確認ください。当校の学科講習は第5版対応済みです。

総まとめ:5つの変更を1枚の表で

変更点(教則の該当箇所) これまで(第4版) 7月14日から(第5版) とくに影響する人
飛行禁止エリア(3.2.1) 重要施設の周囲おおむね300m おおむね1,000mへ拡大・無許可飛行は直ちに処罰 飛ばす人全員(100g未満も)
技能証明の更新(3.1.2(5)3)) 満了日の6か月前から(期限あいまい) 満了日の6か月前〜1か月前まで 資格保有者
保険(2.3.3) 任意加入が基本(明示は限定的) 25kg以上・レベル3.5は第三者賠償責任保険が前提と明記 大型機・レベル3.5の運航者
工業専用地域(3.1.2(2)1)) DID内は一律に許可が必要 工業専用地域はDIDの手続き不要 DID内で業務飛行する方
農薬散布など(3.1.2(2)3)) 5種類の承認が都度必要 機体×操縦者+運用条件を満たせば承認不要 農業・散布事業の方

※このほか、文言・表現の整理が行われています。詳細は冒頭の国土交通省PDF(改訂履歴)をご覧ください。

千葉県においてのどのような影響があるか

■ 飛行禁止エリアの拡大は、県内でも「他人事」ではありません
千葉県内には対象空港や防衛関係施設が存在します。周辺エリアが300m→1,000mに広がったことで、これまで問題なく飛ばせていた場所が、7月14日を境に規制の内側へ入るケースが出てきます。「前に飛ばした場所だから大丈夫」という判断はやめて、毎回確認する習慣をつけてください。

■ 京葉臨海部の工業地帯では、業務飛行の追い風に
千葉は全国有数の臨海工業地帯を抱えており、工業専用地域の指定区域も多いエリアです。DIDの手続きが不要になったことで、プラントや倉庫まわりの点検・空撮の段取りが軽くなる場面があるはずです。ただし工業専用地域かどうかの確認(市町村の用途地域図)は必須です。

飛行前の確認は「DIPS2.0の飛行の通報画面」で

DIPS2.0の「飛行の通報」では、小型無人機等飛行禁止法のレッド・イエローゾーンに加えて、DIDや航空法の規制空域も重ねて表示できます。飛行前チェックの起点として便利です。

DIPS2.0の飛行の通報画面。DIDや航空法の規制空域を地図上で確認できる
DIPS2.0の飛行の通報画面。飛行前に規制空域を確認できます。

法改正の疑問も、資格取得・更新の相談も、ドローンスクール千葉幕張・木更津へ
年中無休・21時まで営業。「自分の場合はどうなる?」にその場でお答えします。

よくある質問

教則の第5版はいつから、何に適用されますか?
令和8年(2026年)7月14日から適用です(公布は7月7日)。学科試験の出題基準もこの適用に合わせて第5版へ切り替わります。受験前には指定試験機関(日本海事協会)の案内もご確認ください。
第4版ベースの教材で学習してきました。どこを追加で覚えればよいですか?
教則の大半は第4版と共通のため、教材の買い替えは不要です。本記事の5つの変更点(飛行禁止エリア1,000m・更新申請の期限・保険が前提となる2つの飛行・工業専用地域の扱い・農薬散布の承認省略条件)を差分として押さえれば対応できます。
農薬散布の承認省略は、認証機体を使えば資格がなくても対象になりますか?
なりません。機体側(機体認証と基準適合)と操縦者側(技能証明などの知識・能力)の両方に加えて、自分や関係者の農地・森林であること、高さ4m以下といった運用条件もすべて満たす必要があります。
100g未満のトイドローンなら、重要施設の近くでも飛ばせますか?
飛ばせません。小型無人機等飛行禁止法は航空法とは別の法律で、機体の重さに関係なく適用されます。重要施設の周囲おおむね1,000mの上空は、100g未満の機体でも無許可では飛行できません。
技能証明の更新申請はいつ行えばよいですか?
有効期間満了日の6か月前から1か月前までの間に申請します(有効期間は3年、更新講習は9か月前から受講可能)。満了直前の1か月間は申請できないため、早めの準備をおすすめします。

出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」(本文PDF)同 改訂履歴PDF、航空法施行規則(236条の57・236条の82)、通達「航空法施行規則第236条の82第1項第2号の規定により飛行の方法に係る承認が不要な飛行の取扱い」(令和8年6月)、警察庁「小型無人機等飛行禁止法の一部改正」(令和8年7月14日施行)。本記事は制度の概要を分かりやすく整理したもので、実際の飛行・申請・受験にあたっては必ず最新の一次情報をご確認ください。



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