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ドローン情報

ドローンと飛行機のハイブリット⁉VTOLってどんな機体?

 

さまざまな分野で活用が進められるドローンですが、「飛行時間が短い」「巡航速度が出せない」「広範囲・長距離の飛行ができない」などの課題がありました。

社会課題の解決に向けてドローンを活用する中で、これらの課題を解決しなければ本格的な社会への浸透は難しいと考えられるでしょう。

そこで登場したのがドローンと飛行機のハイブリッドな機能性がある「VTOL機」です。
今回の記事では、VTOL機について主な特徴や活用される分野、国内でのVTOL機事情について解説します。

VTOL機とは?

VTOLは「vertical take-off and landing aircraft」の略で、直訳すると「垂直に離着陸ができる航空機」のことを指します。

従来の飛行機は離着陸のために滑走路を走る必要があるのですが、VTOL機はドローンやヘリコプターのように滑走を必要とせず、その場で離着陸ができます。

飛行のために滑走路が不要になるため、飛行場所の制約を取り除くことができますし、飛行機のような高速巡行が可能になっています。
まさに、ドローンと飛行機のそれぞれのデメリットを補って、メリットを加えたハイブリッドな機体と言えるでしょう。

これまではオスプレイなどの軍用機で作られることが多かったのですが、ドローンが社会に浸透する中で産業向けのVTOLを開発する企業も出てきました。

VTOL機の主な特徴

VTOL機の主な特徴は以下の3つです。

 ①離着陸で滑走を必要としない
 ②飛行機と同じような高速巡行が可能
 ③ドローン以上の広範囲かつ長距離飛行が可能

では、1つずつ詳しく見ていきましょう。

①離着陸で滑走を必要としない

VTOL機はドローンやヘリコプターと同様に垂直離着陸が可能です。
飛行機のように離着陸で滑走路を使う必要がないため、飛行させる上での制約が緩和されます。

飛行場所の自由度が増すため、さまざまな場面で柔軟に使うことができます。

②飛行機と同じような高速巡行が可能

ドローンは飛行場所の制約が少ないのですが、飛行機のような高速巡航ができないという欠点がありました。

VTOL機では、ドローンやヘリコプターにおける速度面の限界を解消するために開発されており、高速での長距離移動が可能になっています。
高速巡航が可能になれば、産業分野に導入する際の活用の幅も広がります。そしてより効率的な活用によって生産性をさらに高めることができるでしょう。

ドローンのような運用面の自由度に加えて、機動性を高めたのがVTOL機の真価と言えます。

③ドローン以上の広範囲かつ長距離飛行が可能

VTOL機は、ドローンよりも広範囲かつ長距離の飛行が可能になっています。
ドローンではバッテリーや巡航速度の問題があったため、飛行範囲に限界がありました。

広範囲の飛行が必要な場面では、一定時間ごとにバッテリーの交換が必要になるなど、業務の効率性に支障が出るケースもあり、長年の課題として残っていました。

VTOL機は、高速巡航を可能にすることでドローンと同じ飛行時間でもより広範囲に渡って飛行させることが可能になります。
測量や点検、物流など飛行範囲の拡大によってさまざまなことが可能になるでしょう。

VTOL機はどんな分野で活躍する?

VTOL機の活躍が期待されている分野としては主に以下の5つです。
 ①測量
 ②点検
 ③物流
 ④農業
 ⑤災害支援

では、1つずつ詳しく見ていきましょう。

①測量

測量分野では、VTOL機の機動性を活かすことで、より広範囲に渡る測量を可能にできます。

従来のドローンだと広範囲に渡る測量を行うには、途中でバッテリー交換をする必要があったため、業務を完了させるのに複数回のフライトが必要でした。

VTOL機は、より広範囲の飛行が可能なので〜数100haといった大規模な測量業務も1回のフライトで完了させられます。
業務時間も大幅に短縮できますし、測量後の処理についてもスムーズに進められるでしょう。

②点検

点検業務においても広範囲かつ長距離の飛行を活かすことができます。

大規模な建築物やインフラの点検も効率的にできますし、長距離飛行が可能な点を活かして、送電線や道路など長距離のインフラ施設を一気に点検することも可能です。

ドローンの飛行時間や範囲による制約を取り除き、持ち前の機動性と運用の自由度によって、業務効率を高めて生産性の向上に貢献します。

③物流

物流分野では、従来のドローンの飛行時間や距離の短さが課題として挙げられていましたが、VTOL機を使えばより長距離への配送が可能になります。

数10km先へも飛行が可能になるため、山間部や離島への物資の配送もできますし、高速巡航が可能なので緊急性の高い物資の配送にも適しています。

④農業

大規模な農場での育成調査に利用することができます。農作物の育ち具合を細かくチェックできるので、生産の効率性を高めることができます。

人手不足問題が深刻化する農業分野において、VTOL機を導入することで少ない人数で大規模農園の運営が可能になるでしょう。

⑤災害支援

VTOL機の機動性を活かすことで災害発生時の状況把握を素早く行うことができます。

広範囲の状況把握にはVTOL機を使用し、局所的な被害の把握に従来のドローンを使用するなど使い分けることで、災害発生時の状況把握や復旧のスピードを高めることができます。

国内のVTOL機事情は?

日本ではAeroSense社が国内初のVTOL機「エアロボウイング」を開発しており、普及を進めている段階です。

では、国内でのVTOL機はどのような状況になっているか詳しくみていきましょう。

国内初のVTOL機「エアロボウイング」

Aerobo WingAeroSense社では、国内初のVTOL機「エアロボウイング」を開発しました。

垂直離着陸が可能な固定翼ドローンで、1回のフライトで50kmにも及ぶ長距離・広範囲の飛行が可能です。従来のドローンの飛行範囲を大きく上回ることで、利用の幅を大きく広げることに成功しています。

さらに、NVIDIAの組込みスーパーコンピュータ Jetson TX2を搭載することで、自動飛行をはじめさまざまなアプリケーションに対して、最適なシステムが構築できます。

通信システムにはLTE通信モジュールを標準搭載することで、遠距離での飛行においても安定した活用が可能になります。
また、高性能レンズや各種センサー、1kgまでの積載に対応しています。

機体名称 AS-VT01
外形寸法 2130mm×1250mm×415mm
重量 9.0kg
最大搭載可能重量 1.0kg
最大使用可能時間 40分
最大飛行距離 50km
最高速度 100km/h
巡航速度 65km/h
飛行制御 自動航行

マニュアル操作

安全機能 自動帰還/旋回/着陸など
安全確認用カメラ 前向き、下向き
公式サイト https://aerosense.co.jp/vtol-as-vt01

AeroSense社がNTT e-Drone Technologyが業務提携

2023年2月17日に国内初のVTOL機「エアロボウイング」を開発したAeroSense社と、ドローンの開発から普及までを担う「NTT e-Drone Technology」が業務提携を発表しました。

VTOL機「エアロボウイング」の普及促進やオペレーション運航の拡充を目的としており、NTT e-Drone Technologyが持つオペレーション面のノウハウを活かすことで、VTOL機のさらなる社会実装を目指しています。

具体的には以下のような形で連携を行います。
・エアロボウイングの運航オペレーターとして、NTTイードローンからオペレーターを運航現場に派遣し、運航のオペレーションを実施(補助要員含む)
・各企業や自治体等への山間部、河川等での広域にわたる点検や測量などの実施提案および普及活動
・NTT東日本グループが目指す、地域活性化を目的とした農業や林業などの第一次産業分野でのドローンの運航および普及

ドローンの社会実装を積極的に推進するNTT e-Drone TechnologyがVTOL機に着目していることから、今後さらなる進化が期待できそうです。

まとめ

ドローンと飛行機のハイブリッドといわれる「VTOL」について解説しました。
従来のドローンと比較して、広範囲かつ高速巡航が可能で、ドローンを社会に普及させる上で障壁となっていた部分の解決が期待されています。

今後ドローンが社会の課題を解決する上でのキーワードになる可能性を秘めているので、皆さんもVTOLに注目してみてください。

またドローンスクール千葉幕張ではVTOLについてやその他最新ドローンについてなど、もっと詳しく知りたい方は是非、毎日開催しているドローンの無料体験会にお越しください。
体験会では、現在取得できるドローンの国家資格・民間資格についての説明や実際にドローンを操縦して講習の体験が行えます。

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